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在庫品目の個体管理と数量管理

1点ずつ個体を追跡すべき場合と、数量でまとめて管理すれば十分な場合を説明します。

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在庫品目を作成するとき、最初に決めることの1つが、個体管理にするか数量管理にするかです。この選択は、受入から使用、廃棄までのライフサイクル全体で在庫品目をどう管理するかを左右し、原価の追跡、工具寿命の分析、整備の流れに直接影響します。

この選択は初期設定の時点で正しく行うことが重要です。後から数量管理を個体管理に変更するには既存在庫の照合が必要になり、運用に大きな支障が出ます。

数量管理の在庫品目は、数量の合計で追跡します。Tooling Metricsは各保管位置にいくつあるかを把握しますが、どれがどの1点かは区別しません。

数量管理が適するもの:

  • 刃先交換式チップ — 少数ずつ消費され、1点ごとに追跡する意味のある履歴がありません。
  • 標準的な消耗品 — 区別なく使い、なくなったら補充するドリル、タップ、コレット、工具ホルダ。
  • 「ここに12個ある」と分かれば十分で、「この1本は48分使った」と分かっても役に立たない在庫品目。

数量管理の在庫品目は管理が簡単です。納品物の受入、ジョブ用の出庫、廃棄は、いずれも1回の数量調整で済みます。

個体管理の在庫品目では、1点ごとに固有のシリアル番号(またはデータマトリックスコード)を割り当てます。Tooling Metricsは各個体のライフサイクル全体を個別に追跡します。現在の保管位置、状態、移動履歴、使用履歴、整備記録、評価額です。

個体管理が適するもの:

  • ソリッド超硬エンドミルとドリル — 再研磨して繰り返し使うため、個体ごとの整備履歴と総使用時間から、これまでの再研磨の回数が分かります。
  • 精密ボーリングヘッドと調整式工具 — 個体ごとの状態、使用履歴、整備間隔を管理します。
  • 測定器 — 1点ごとの保管位置と整備履歴が重要なノギス、マイクロメーター、ゲージ。
  • 高価なホルダや工具本体 — CAT/HSKホルダやフライスアーバなど、個体ごとの摩耗履歴をもとに使用終了を判断するもの。
  • 「いくつあるか」だけでなく「どの1点か」が重要な在庫品目。

個体管理の価値は、時間がたつほど高まります。整備を何サイクルか繰り返すと、シリアル管理個体のデータから実際の工具寿命のばらつきが分かります。平均よりはるかに長持ちする個体もあり、個体管理によってそれが見えるようになります。

次の3点を確認します。

  1. その1点を再生のための整備に出すか。 出すなら個体管理にします。いつ整備に出すか、これまで何回整備したかを判断するには、その個体に何があったかを追跡する必要があります。

  2. ジョブをまたいで意味のある履歴が蓄積されるか。 1回使って廃棄するチップなら、個体管理は手間が増えるだけです。ボーリングヘッドが2年間で数百のジョブに使われるなら、個体管理で価値のある履歴が蓄積されます。

  3. 1点ずつ識別できるか。 現在では多くの切削工具メーカーが、1点ごとにデータマトリックスコードを印字しています。スキャンできる識別情報があるなら、追跡の基盤はすでに整っているので、個体管理にします。

一般的な精密加工の現場での目安は次のとおりです。

在庫品目の種類 推奨
刃先交換式チップ 数量管理
標準ホルダ(ウェルドン、コレット) 数量管理
ソリッド超硬切削工具 個体管理
調整式・精密ボーリングヘッド 個体管理
HSK/CATホルダ 個体管理
測定器 個体管理
標準ドリル・タップ(ハイス) 数量管理
超硬ドリル(再研磨可能) 個体管理

在庫品目を個体管理にすると、Tooling Metricsで次の機能を使えます。

  • 個体ごとの移動履歴 — 保管位置の変更をすべて記録します。
  • 個体ごとの状態の追跡 — 検査時や返却時に状態を更新します。
  • 整備しきい値 — 使用量(使用時間、使用回数、使用原価)が設定した上限を超えると、整備注文を自動で作成します。
  • 残り寿命 — 工具アセンブリに設定した寿命上限から、実際に累積した使用量を差し引いて求めます。
  • 個体ごとの評価額 — 各個体の現在の帳簿価額で、使用原価が計上されるたびに更新されます。