実物の工具ではなくデジタル設計
Section titled “実物の工具ではなくデジタル設計”工具アセンブリは、完成した切削工具のデジタル設計です。主軸から切れ刃まで、カタログ品(ホルダ、アダプタ、切削ユニット)を順番に積み重ねたものです。工具アセンブリは設計データであり、実物ではありません。1つの工具アセンブリの設計から複数のセット工具を組み立て、現場のさまざまな場所に置くことができます。設計を変更(構成部品の追加やパラメータの修正)しても、すでに組み立てて生産で使っているセット工具の履歴が知らないうちに書き換わってはいけません。そのため設計と実物を分けて管理し、それぞれが独立して変化していきます。
積み重ねる順序が必要な理由
Section titled “積み重ねる順序が必要な理由”工具アセンブリの各構成部品は、上の部品と下の部品に接続します。すべてのカタログ品は、ISO 13399データに基づく機械側と切削側の接続コードを持っています。工具アセンブリビルダーは、直前に追加した構成部品の空いている接続に機械側のコードが一致するカタログ品だけを候補に出します。機械側に追加でカタログ品の一覧が絞り込まれるのはこのためです。これはオフにできる便利機能ではなく、物理的に取り付けられないCAT40ホルダにØ63の正面フライスカッターが組み合わされるのを防ぐ仕組みです。
同じ接続データが、CADビューアの3D表示や、計算されるゲージ長と切削径にも使われます。これらの値は手入力ではなく、積み重ねた形状から求められます。
アセットの生成は設計とは別の手順
Section titled “アセットの生成は設計とは別の手順”構成部品を追加しても、定義されるのは構成だけです。アセットを生成を実行すると、その構成から3Dモデル、2D図面、積み重ね全体を合成したISO 13399パラメータが作られます。段取り表やCAMへのエクスポートが実際に使うのは、これらの出力です。描画は比較的負荷が高いため、構成部品を変更するたびに自動で実行するのではなく、独立した操作にしています。可能であればその場で実行し、生成に時間がかかる場合にだけバックグラウンドジョブに切り替えて、画面を待たせないようにしています。
リリースで変わること
Section titled “リリースで変わること”工具アセンブリをリリースすると、1回の操作で2つの処理が行われます。1つは、構成するすべてのカタログ品を在庫品目に同期することです。この時点から、購買と在庫管理でこれらの部品を購入・保管する対象として扱う必要があるからです。もう1つは、工具アセンブリ自体の状態を下書きからリリース済みに変えることです。プロジェクトの工程やWAP端末で選べるのはリリース済みの工具アセンブリで、下書きのものは選べません。
稼働中は、意図的に手動では設定できない状態にしています。この工具アセンブリから組み立てた最初のセット工具がリリースされて運用に入った時点で、自動的に稼働中になります。実際のセット工具が存在して初めて、設計が「稼働中」と言えるからです。アーカイブにも同様の保護があります。この工具アセンブリから組み立てたセット工具が運用終了にならずに残っている間は、完全にはアーカイブできません。それらのセット工具には、保管先や返却先を定める設計がまだ必要だからです。